【腰痛の検査方法】(医師監修) レントゲン、CTやMRI などの画像診断

目次
- レントゲン撮影は骨の影が良く映るので整形外科では欠かせない
- 腎臓や尿管も原因のことがあるから尿検査法を用います
- 血液検査は貧血のある腰痛や腰椎周辺の感染症などを調べます
- 脊椎骨の輪切りで断面構造を痛い時はCTで検査
- MRI撮影は神経でも軟骨でもはっきりとわかります
- 脊髄造影術は MRI の後にさらに診断を深めます
- 根造影検査は神経の走り方や圧迫のされ方が分かります
レントゲン撮影は骨の影が良く映るので整形外科では欠かせない

X 線を用いて体の内部組織の影を見るのがレントゲン(X線)検査です。X 線を通しにくい骨や分厚い内臓が、はっきりとした影として写ることを利用したものです。整形外科ではもっともよく行われている検査方法です。
ふつう、腰椎に対しては、腰椎、前から1枚、横から1枚、計2枚の撮影が行われます。ときには、左右の斜めから各1枚ずつ撮影することもあります。ほとんどの場合、骨の変形や椎間板の破裂を見るのが最大の目的で、多くの場合は「骨が老化現象で変形している」「骨のカルシウムが少なくなっている」「椎間板があるべき隙間が狭くなっている」「脊椎骨が前後にずれているなどがあります。
しかし、軟骨や神経はレントゲンでは映らないので、それでをきちんと見なくてはならない病気が疑われる時は、MRI検査などをすることになります。脊椎の動きに伴う異常なズレが痛みの原因とは思われる場合は、前屈した状態と、後屈した状態で、横から1枚ずつ撮影することもあります。

腎臓や尿管も原因のことがあるから尿検査法を用います
まれに、腎臓や尿管に問題があり、それが腰痛の原因になることもあるので、尿検査が行われます。
糖やたんぱく、赤血球や白血球など、普通なら尿に排出されないものが、あるかないかを見る簡単な尿検査で、腰痛とは必ずしも関係のない疾患が、偶然発見されることもあります。
血液検査は貧血のある腰痛や腰椎周辺の感染症などを調べます
医師が何を目的に採血するかで、チェックする項目も様々です。一般には、赤血球数や白血球数、血沈、炎症反応や肝機能、腎機能など検査します。赤血球の検査では貧血の有りや無しなどを見ます。貧血がある腰痛は、骨髄の病気などが疑われることがあります。
白血球や炎症反応は、腰椎や胸椎周囲の筋肉などの感染症やリウマチ性疾患の診断に有用です。ごくまれに、肝臓病や腎臓疾患が腰痛の原因になることがあります。それを否定するために、肝機能や腎機能も検査するのがふつうです。

脊椎骨の輪切りで断面構造を痛い時はCTで検査

CTとは「コンピューター断層撮影」のことです。 普通のレントゲン撮影は当然腰などの構造を一枚の画像として写すので、これだけでは立体的な位置関係が不明瞭です。ある断面の構造を特に見たい場合にCT撮影を行います。
X 線を用いるので骨ははっきり写し出されますが軟骨や神経を見るのには適していません。しかし、脊椎骨の輪切りの断面で初めて診断が可能な病気は、後で絶大な威力を発揮します。

MRI撮影は神経でも軟骨でもはっきりとわかります

エクセルとは全く違った方法で、体の断面構造を見る画像診断方法でスバル大きな磁石の中に入った体に電波を当てて、これに対する反応をとらえて画像にする方法ですが、 放射線である X 線を用いないので、その点でも安心です。
体の構成成分の化学的な違いを画像に表すものなので、神経や軟骨まではっきりとわかります。最近では、多くの病院に設置されるようになったので、少し長引いた腰痛に対しては気軽によく行われるようになりました。
単なる輪切りの断面だけではなく、色々な角度の断面を見ることも可能です。特に、椎間板軟骨や脊髄、馬尾神経、神経根など腰痛に関わる組織を映し出す後には、なくてはならない検査方法です。
ただし、MRIではよく写し出せないが、CT だとはっきりとするということもあり、MRIが万能というわけではありません。また、大きな筒状の臓器の中に20分から30分入っていなくてはならないので、閉所恐怖症の人にはややつらい検査です。

脊髄造影術は MRI の後にさらに診断を深めます
脊髄造影術は「ミエログラフィー」と言います。MRIで簡単に脊髄や神経が映るようになったとはいえ、脊髄や馬尾神経、神経根など微妙な組織を細かく見たい場合は、やはり脊髄造影術が優れています。腰から比較的に長い針を刺して、脊柱管の中まで針をすすめて、馬尾神経が走っている脊髄腔という空間に造影剤を注入します。
これを透視で見ながらX線を撮ると、造影剤は、はっきりとした影として映し出されるので、影剤が行き渡るのを邪魔するものが形として表れます。MRIでおおざっぱに診断し、脊髄造影で診断をさらに深めたり、手術を前提に正確な病巣の位置を決めるという場合などに、なくてはならない検査です。当然、局所麻酔剤を用いて細い針で行うので、決してつらい検査ではありません。
造影剤が残ってる間、普通は数時間後にCTを追加するのが一般的です。これによりMRIでは得られない情報も得られることがあります。検査は入院して行われます。

根造影検査は神経の走り方や圧迫のされ方が分かります
神経根に問題がありそうなことはわかっていても、どの神経根なのかはっきりさせたい場合や、ほんとうに神経の方が原因の痛みなのか判断に迷う場合、神経根に直接針を刺して造影剤を注入し、レントゲンを撮ります。
神経の走り方、圧迫のされ方がわかると同時に、針を刺すことで普段の痛みが再現できれば、「やはりそこが問題だ」と分かります。
局所麻酔剤も同時に注入するので、その神経根だけが麻酔され、これで普段の痛みが一時的にけ消えれば、その部位の問題の箇所であることが更にはっきりするわけです。
この造影検査は、診断だけに用いるのではなく、炎症を抑える薬剤を併用すれば、治療にも繋がります。なので神経ブロックと呼ばれています。

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